兆豪筋 異能漫画家その2
兆豪筋という漫画家の作品はアメコミタッチの描写、そして金属・刃物への偏愛に満ち溢れています。
その作品群はスティーブン・キングやH・P・ラブクラフトを意識した素晴らし過ぎるストーリーテリングながらも、
兆豪筋は「BRADE」「RETURN」という2冊の単行本だけを残し姿を消してしまいました。
「BRADE」はタイトル通り刃物を重要アイテムとした珠玉のホラー短編集と言って良い程の作品です。
各短編毎の幕間に物語が挿入されており、オムニバス映画の様にオープニングからエピローグへと続いていきます。
近未来、ロボットに追われ続ける主人公、何故追われているのか?ロボットの目的は?謎が謎を呼ぶ展開で驚愕のラストへと突き進んでいきます。
「RETURN」はもろにラブクラフトの系譜的な長編コズミックホラーです。
悪魔的幻獣に攻撃を受け滅亡寸前の世界でその原因と解決に向けて主人公とヒロインが現在と過去、パラレルワールドを走り抜けます。