真夜中のハーリー&レイス イベント 2016年10月6日
こんなイベントがあったので行って来た。
出演は実況王の清野茂樹、講談師の神田松之丞、ゲストトークに大槻ケンヂと夢枕獏という昭和プロレスの匂いのプンプンする曲者達。
イベントは清野茂樹のアントニオ猪木VSハルク・ホーガンのIWGP決勝戦、
所謂猪木舌出し失神事件というプロレス事件の中でも迷宮入りの不可思議事件を写真のみで実況していく。
曰く、猪木の途方も無い借金に借金取り達が会場を張っていたが為に失神して脱出する必要があった。
それを通してプロレスと言う全てが詰まった何かに対して親睦を深めようと上手く構成していたと思う。
続いて、神田松之丞の講談「宮本武蔵」天才、名人と言って良い程の話の巧みさと感情移入度により講談を初めて観る客からも笑いやどよめきが起こった。
更に続いてゲストトーク。
プロレスをどこまで信じられるのか?どこまで愛せるのかという昭和プロレスファン特有のプロレスは真剣勝負なのか論。
今現在では信じられないくらい凄い事をやっているショーとして楽しめるが、アントニオ猪木曰くプロレスはキング・オブ・スポーツだった時代があり、それを証明する為に、ボクサーや空手家、マーシャルアーツ、アマレスの強豪達と闘ってきた歴史があるが故に昭和プロレスファンは常にレスラーはガチンコで勝負していると洗脳されてしまった経緯がある。今は流石にショーだと理解していても過去の真剣勝負だったと思っていた時の甘い思い出がフラッシュバックの様に現れるのだろう。
大槻ケンヂと夢枕獏の過去のプロレス観を語る際の幻を観ていたかの様に語る気の抜けた感じは清涼さすら感じるものがあった。
トリは神田松之丞の「グレーゾーン」八百長についての講談だった。
プロレスから始まり、相撲そして落語へと余りにもおかしな決め事の多い大衆演芸は何故今までそのまま続いているのか?に触れる長編新作講談。
プロレスの八百長、相撲の八百長、落語の八百長、これらは何故非難されつつも無くならないのか?
一般庶民、何も持たない我々が自信を持てる何かがそこにあるからであるという締めくくりは非常に胸に刺さり場内もいつまでも拍手が鳴り止まない程であった。
「グレーゾーン」訳あって今回が最終披露との事で非常に勿体無い限り。
しかし良いイベントだった!