ゴブリン森口 異能漫画家その1
ゴブリン森口という漫画家の「狂ったいけにえ」「狂気の感染源」「スラッシャー」という三作品には、有名なバイオレンス漫画の金字塔「北斗の拳」と同じ様に、
マッドマックスとブルースリーに多大な影響を受けたバイオレンス作品のMFP(マッド・ファイティング・ポリス)というシリーズ物が載っています。
「北斗の拳」がマッドマックスとブルースリーなのに対し、MFPシリーズはヘヴィメタルの要素も強く含まれており、ランダムスター型凶器や敵がクワイエット・ライオットの「メタル・ヘルス」アルバムと同じ仮面を被っていました。
また、アイアンメイデンのキャラクター、エディーそのまんまのキャラも居たり、聖飢魔IIの元ベーシストであるゾッド星島も何故か描かれていたり。
作者の偏愛が作品から溢れて出ている事が伺えます。
MFPシリーズは、マッドマックスっぽい近未来で精神が弱い、或いは弱ってきた人達が悪魔に身体を乗っ取られ、欲望のまま人間をレイプしたり残酷に殺したりするのを防ぐ警察(MFP)の日常を描いています。
悪魔的な怪物や変質者、アウトロー、アナーキストなんかをMFPのメンバーはブチ殺しまくるのですが、MFPのメンバーも反撃を受け虫けらの様に死んで行くという凄惨な殺し合い。
主人公は本家マッドマックスと同じ革ジャケットにソードオフ・ショットガン、拳銃には454スカール弾で武装し、最終的には巨体術という拳法で悪魔をぶちのめす!
巨体術を使う際には覆面プロレスラーの様にマスクを被ったりする所がアメコミを意識していて、その先見性には今読んでも唸らされます。
全編破壊衝動に漲っており、マトモな人が一人も出て来ない所も最高です。
いつの日かMFPシリーズだけを再編して単行本として出ないかなあと夢想しています。